メンズ脱毛の基礎知識

調べはじめに知っておくと判断を誤りにくい点を、公的機関の資料掲載14社の実データにもとづいて整理しています。当サイトが確認できていないことは書いていません。

1. 医療脱毛と美容脱毛は何が違うのか

この違いは広告表現ではなく、公的機関が定義しているものです。

医療脱毛(クリニック)美容脱毛(サロン)
位置づけ医療機関エステティックサロン
施術者医師・看護師医師免許を要しない範囲の施術者
行為の内容毛の発生源を破壊する(医行為)一時的な除毛・減毛(医行為に該当しない範囲)
麻酔取り扱いがある場合がある取り扱いなし(医療機関ではないため)
掲載社数10社4社

国民生活センターは、医療機関を「レーザー等により毛の発生源を破壊する等、高い効果が得られる脱毛」で「皮膚内部の組織を破壊する行為」、エステを「光を照射すること等による一時的な除毛・減毛など、医行為に該当しない範囲の施術」と区別しています。

厚生労働省は「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」(平成13年11月8日 医政医発第105号)で、レーザー光等を照射して毛乳頭等を破壊する行為を医行為と位置づけました。2025年8月15日の通知「美容医療に関する取扱いについて」(医政発0815第21号)でも、無資格者が業として行えば医師法第17条違反にあたることが改めて示されています。

「効果が高いほうが良い」とは限りません。医行為である以上、医療脱毛には相応のリスクが伴います。下の「リスクとトラブル」もあわせてご確認ください。

出典:国民生活センター(2017-05-11)厚生労働省 医政医発第105号厚生労働省 医政発0815第21号

2. いちばん誤解が生まれるのは「施術範囲」

同じ「全身脱毛」という名前でも、含まれる部位は各社でまったく異なります。回数を5回にそろえて比べても、当サイトが掲載している6社の全身プランには次の開きがあります。

全身脱毛 5回(6社)
98,000 〜 296,800

回数が同じでも金額が違う理由のひとつは、ヒゲ・顔・VIO・うなじが含まれるかどうかです。実際の範囲の書かれ方を、安い順に並べると次のようになります。

  • 98,000円(5回)VIO・顔に加えうなじ・首も除く全身
  • 159,500円(5回)ヒゲ・顔・VIOを除く全身
  • 169,400円(5回)VIOを除く全身
  • 229,800円(5回)ヒゲ・うなじ・VIOを除く全身
  • 258,000円(5回)VIO・ヒゲを除く全身12箇所(部位名は公式サイトに画像でのみ掲載)
  • 296,800円(5回)ヒゲ・VIOを除く全身(うなじを含む)

※ 5回以外のプランしか公開していないブランドは、この一覧に含めていません。回数をそろえないまま金額を並べると、比較として成立しないためです。

並べ替えて見比べると、範囲が広いほうが安い組み合わせもあります。 つまり、金額の順番だけでは安さも得も判断できません。 当サイトでは、金額を表示するすべての箇所に施術範囲を併記し、 「最も安い」といった優劣の判断は範囲が一致するプラン同士でのみ行っています。

全身脱毛の料金比較を見る ›

3. 表示価格に含まれない費用がある

プラン総額のほかに、次の費用が発生することがあります。剃毛料のように毎回かかるものは、回数分が上乗せされます。

  • 剃毛料(シェービング代) … 自己処理が不十分な場合に発生。施術のたびにかかることがあります
  • 初診料・再診料 … 医療機関の場合
  • 麻酔代 … 医療脱毛のみ。希望する場合に、施術のたびにかかることがあります
  • 処置料 … 施術ごとにかかる費目を設けているクリニックがあります
  • キャンセル料 … 期限を過ぎた変更・キャンセルで発生。回数が1回消化される規定の場合もあります

当サイトでは、これらを加えた金額を実質総額として算出しています。計算式は選定基準と比較方法で公開しています。

実際に上乗せが発生するブランドと、その差額です。

ブランド名プランプラン総額実質総額上乗せの内訳
渋谷美容外科クリニック ヒゲ全体 5回(平日昼)ヒゲ全体 71,060円 79,060円 処置料(2回目以降 4回分) 8,000円
共立美容外科 口周り 1回(男性料金)口周りのみ 3,300円 4,400円 剃毛料(1回分) 1,100円
メンズ脱毛フィーゴ ヒゲ全体脱毛セット 1回ヒゲ6部位(鼻下・唇下・アゴ・アゴ下・もみあげ・ほほ) 6,600円 7,700円 剃毛料(1回分) 1,100円
あおばクリニック ヒゲ全体 1回ヒゲ全体(ジェントルレーズのみ) 9,800円 10,800円 剃毛料(1回分) 1,000円

※ 上表に出ていないブランドは、公式サイトで確認できた範囲では上乗せがありません。「記載なし」の費目がある場合は、無料とは限らないためカウンセリングでご確認ください。

追加費用を含めた比較を見る ›

4. 何回で終わるのか

必要回数を示した公的機関の基準は、確認できた範囲では存在しません。 そのため当サイトでは、回数の目安を独自に算出せず、クリニックが公開している記述を出典つきで紹介するにとどめています。

ヒゲ脱毛について、複数のクリニックが自社サイトで次のように説明しています。

  • メンズリゼ:「自己処理が楽になるまで5回程度、ツルツルの状態を目指す場合はさらに回数が必要」
  • メンズルシアクリニック:「5〜7回で毛量の減少を実感する人が多い」

いずれも効果を保証するものではなく、毛質・毛量・部位・目指す状態によって必要回数は変わります。「◯回で永久に生えてこない」といった表現は当サイトでは使いません。

出典:メンズリゼメンズルシアクリニック(いずれも2026年9月17日確認)

なお、回数プランを比較する際は「追加照射の料金が決まっているか」をあわせて確認すると、回数が足りなかった場合の見通しが立ちます。

5. 脱毛方式の違い

掲載14社が公式サイトで明示している方式の内訳です。

熱破壊式 5社蓄熱式 3社SHR 2社IPL 2社ニードル 1社
  • 熱破壊式(医療)… 強い出力で毛根に照射する方式。太い毛に用いられます
  • 蓄熱式(医療)… 弱い出力を連続照射する方式。痛みが比較的少ないとされます
  • ニードル(医療)… 1本ずつ処理する方式。白髪にも対応できるとされます
  • IPL / SHR(美容)… 光を照射する方式。医行為に該当しない範囲の施術です

※ 方式の特性は各社の公式サイトの記述にもとづく一般的な説明です。痛みの感じ方や効果には個人差があり、当サイトは効果測定を行っていません。方式を明示していないブランドについては「記載なし」としています。

6. リスクとトラブル

国民生活センターには、2012年度以降の約5年間で脱毛施術による危害情報が964件寄せられています。

エステでの危害
680
医療機関での危害
284

同センターは「ホームページや広告を鵜呑みにせず、施術前にリスク説明を十分に求める」よう呼びかけています。契約前には少なくとも次を確認してください。

  • リスク・副作用の説明を受けたか
  • 解約時の返金規定(中途解約の可否と手数料)
  • キャンセルの期限と、期限を過ぎた場合の扱い(回数消化か、料金か)
  • 効果を断定する説明がなかったか

契約してしまったあとに使える制度

脱毛の契約は、期間が1月を超え、かつ金額が5万円を超える場合、特定商取引法の「特定継続的役務提供」の対象となることがあります。消費者庁によると、指定されている7つの役務にはエステティック美容医療が含まれます。対象にあたる場合、次の制度が使えるとされています。

  • クーリング・オフ 法律で定められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、書面または電磁的記録により契約を解除できます(第48条)。事業者が事実と違うことを告げたり威迫したりしたことで解除しなかった場合は、8日を過ぎても解除できるとされています
  • 中途解約 8日を過ぎたあとでも、将来に向かって契約を解除できます(第49条)。事業者が請求できる額には上限が定められています
中途解約時に請求できる額の上限エステティック美容医療
施術が始まる前2万円2万円
施術が始まったあと2万円または契約残額の10%の
いずれか低い額
5万円または契約残額の20%の
いずれか低い額

※ 施術が始まったあとは、上記に加えて、すでに提供を受けた施術の対価を支払う必要があります。

自分の契約がこの制度の対象にあたるかどうかは、当サイトでは判断できません。 契約書面の記載を確認するか、お住まいの地域の消費生活センター(消費者ホットライン 188)へご相談ください。

出典:国民生活センター(2017-05-11)消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」

7. 比較の手順

  1. 部位を決める 全身とヒゲでは考えるべきことが変わります
  2. 医療か美容かを決める 効果の前提とリスクが違います
  3. 施術範囲をそろえて金額を見る プラン名ではなく範囲で比べます
  4. 追加費用を足して実質総額で見る 剃毛料・麻酔代・処置料
  5. 通える院があるか確認する 料金は全国共通のため、ここで差が出ます
  6. キャンセル規定を確認する 通い続けられるかを左右します

当サイトは各施設に順位番号・点数評価・星評価を付けていません。判定の基準は選定基準と比較方法、情報源と確認方法は調査・編集方針で公開しています。